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ロスホコス | 楚々 ~ KYOTO EXPERIMENT 2022 フリンジ

Category : パフォーマンス見聞
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2022.10.16
⑴15:00~⑵17:30
【 Gallery Take two 】

親父たちを
ことさらに擁護はしませんね。
だって、キレ、とか
ルーティーンとか
ユニゾン、とか
そういう話で持っていっても
ほぼ、ナンセンス、だから。
もう、ハンデは承知の助、ですから。

これは、僕が親父、いや
ジジーだからこそ、わかる
「完璧さ、とはやや遠い次元で
甘んじて、演ずる」という
或る種の免罪符を得ながら
その先の、妙味、にこそ
彼らの見所がある、ということ。
ここをわかるのは
やはり、或る程度
歳食ったもんですね。
これぞ、機敏団子、
私に一つ下さいな、です。

オヤジには
オヤジにしかできない
オヤジならではの
オヤジによるダンスが
ある、のです。
そして一番忌み嫌うのは
オヤジへの同情と憐憫ですね。
あなた方が思っているよりも
彼らはずっと前向きで
クリエイティヴ、ですから
迂闊にいると
足元すくわれますよ。

いろいろあるさ、人生は。
それこそを体現できる
オヤジたち。
悲しいくらいに
素敵です、全く。

追伸
ロスホコスのダンス見聞直前に
最終日だった
谷口暁彦 映像展
「やわらかなあそび/softplay」を見て
アヴァターとかヴァーチャルそのものが
面倒臭いな、と思ってしまったので
オヤジたちの目の前の屈伸と声出しに
これがリアルだぜ!と
胸の内で吠えてしまっていた。

ロスホコス FB↓
https://www.facebook.com/loshocos/

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第30次 笑の内閣 | なんであんたはんは市会議員になれへんのか

Category : パフォーマンス見聞
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2022.09.16~09.19
【 THEATRE E9 KYOTO 】
作・演出:高間響

いわゆる「朝立ち」。
選挙活動につきものだが
「それにしてもさ、
誰も聞いていないのに
毎日毎日、朝立ちしてるんだから
候補者って相当変わってるよなぁ」
そんな内容の台詞があった。

「ツレがウヨになりまして」以来だから
本当に久しぶりの笑の内閣。
なんでも30回目公演とか。
大したもんです。
観客は圧倒的に年配の方、多し。
つまり、投票しに、行く方々、かな。

全く感想にはならないけれど
思い出すこと。
昔、中学校の同窓会が
石神井公園近所の
フレンチレストランであった。
迎えてくれたのが
少なくとも当時は
友達と呼べる関係ではなかった
この店のオーナー。
もちろん嫌味ではないが
フランス人の奥様もチラッと。
ハワイの別荘の話もチラッと。
やがて、彼は国政選挙へ。
東京出身の彼が
何故か九州のさる県から出馬。
聞けば祖父の地元。
さして関わりもない土地から。
おそらくは名士であろう祖父の地盤。
彼が政治にいかほどの興味
いや、使命感を抱いていたかは
憶測の域を出ない。
見事初当選を果たしたが
2回目は落選。
その後は知らない。

もう一つは日雇い労働者だった頃
(色々とやってきてますので笑)
一緒の送迎バスに乗る
さえない隣のおっさんは
その昔、市会議員に立候補して
色々と散財した挙句、落選で
生業の靴屋を手放した話、とか。



演芸場存続のために
担ぎ上げられたど素人候補と
手作り、手探りの選挙が
妙にリアルで妙にベタで
そして、妙に悲しかった。
脚本は
3年前に市会議員選挙に
立憲民主党から立候補して
落選した高間響さん。
そりゃ、リアル、だわ。

「本当に大事なのは
落選した後、何をするか、だ」
そんな台詞も効いてる。

《 Consciousness 》 弦理論交響曲 / a String Theory Symphony 第2楽章 量子 / Movement II. QUANTUM

Category : パフォーマンス見聞
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2022.6.24~6.26
【京都芸術センター フリースペース】

ヤニック・パジェ:
作曲、パーカッション&電子楽器
黒川 徹:陶芸家
橋本 幸士:物理学者、アドバイザー

2016年10月の「Vent et Eau」
2018年1月の
「Every day is a new beginning」の
沸々とした興奮。
その他にも
なるべく聴く機会を得たいと
思いつつ
ヤニック・バジェさんの
”振る舞い”そのものが
音楽への敬意と喜びへ
僕を導く。

思わず、公演終了後に
橋本さんへ一言二言の
僕なりの感想と賞賛を伝えて
強力なリテラシーを
こうして視覚化、いや
パフォーマーとして成就させた
構成力に舌を巻いた
あの時の鮮明な記憶。

野生の数学…
撞着語法…
弦理論…
枚挙にいとまがなしの
黒川さんの静謐な熱情は
「法則に出会った瞬間が
一番うれしい」という言葉に
表されるように
確固とした造形感は
ここから発露するもの、と。

三者を結ぶものは
単なる創造の確信を超えて
量子物理学との
ロマンチックな邂逅を
目の当たりにしてくれた、と。
鳴り止まぬ拍手が
それを語るかのように。

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新平和 | 烏丸ストロークロック×五色劇場

Category : パフォーマンス見聞
新平和1

新平和2

2021.12.24~2021.12.26
【 THEATRE E9 KYOTO 】

長いテキストになります。
ご容赦のほど。

「原爆劇は難しい」という
制作者の言葉に
はっと気付かされます。
”部外者”には想像し得ない
様々な要素、つまりは
”その直後”から75年を経た
”現在”に至る「検証」ではなく
歴史的事実の凄惨さを
いかに演出するか、という
舞台公演のセオリーに
絡め取られてしまう危うさ。
その着地点と
演劇としての収束が
やはり「原爆劇」という言葉で
括られてしまうことへの
ある種の抵抗、でもあるかと。

2016年に
広島アクターズラボとして結成された
「五色劇場」が3年間かけて
みっちりと作り上げた原爆劇です。

烏丸ストロークロックは過去、
様々なテーマで
集団と個、不条理と道理、
共感と反発、時代と現代を
鋭利な切り口で舞台化してきました。
さらに地方性、風土性に重きを置きつつ
渡された台本を指示通りに読むことで
想定された他者を演じ
成立する演劇ではなく
俳優一人ひとりがテーマに深く関わり
綿密なリサーチや実体験を踏まえつつ
文字通り立ち上がらせるという
独自の手法をとってきました。
歳月に比例するものは
単なるブラッシュアップとは
明らかに違います。
多くの資料や判例や取材を通じて
集まったものを
丁寧に取捨選択しながら
濃密な劇空間を構築します。

平和記念公園があったエリア。
かつて
そこで生まれ、育った栗原チエ子。
他の演者はモノローグのように
彼女の声を使いながら
そして、今を生きている担当の介護者を
”受け身としての狂言回し”的な
立場に設定しながら
過去へ過去へと導いていきます。

チエ子を取り巻く”証言者”たちは
誰しもが体験者であり
まごうことなき被爆者であるにも
関わらず、
チエ子自身は疎開によって
被爆を免れました。

果たして
被爆者でない彼女が
後世への語り部になり得るのか。
時代のリアルを
携えながら伝えることはできるのか。
答えはイエスであり、ノーである
と僕は思いました。
チエ子の痛みは
同情や憐憫とは種類の異なる
如何ともし難い
羨望の標的になったことです。
しかし、彼女は同時代を生きた人たちの
聞き役=非被爆者から
そこに逡巡を含んだ
語り部という劇中のキャラクターへ
変化し始めるのです。

舞台上において
圧倒的なマイノリティであるチエ子、
それを観ている私たちは
原爆のリアルを知らないマジョリティ。
ここに不思議な共感を抱いたのは
僕だけでしょうか。
2019年の広島公演は
どういった反応だったのか
興味があります。

さて、突然、上から大量の砂が
介護者の彼に落ちてくるというシーン。
しばらく彼は
髪に服に顔に降りかかった砂を
払いながら
何も考えることができないといった
体でした。
それ以後は何事もなかったかのように
話は進んでいきます。
不意を突かれた観客は
もれなく驚いたことでしょう。
僕には、予兆もなく
予期もできないままに投下された
原爆の暗喩、なのかな、と。

来年は
東京公演(こまばアゴラ劇場)と
宮崎公演(三股町立文化会館ホール)が
決定しています。
さらに海外公演も念頭に置きつつ
プロジェクトは継続されます。

全くの言葉足らずですが
年末に素晴らしい演劇体験ができたことに
感謝いたします。
演出家の柳沼さん、
プロデューサーさん、
俳優の方々、ありがとうございました。

烏丸ストロークロック オフィシャルサイト↓
https://www.karasuma69.org

「ワンダーウォール」を観ながら

Category : パフォーマンス見聞
吉田寮

その昔
テント劇団を観て感涙し
京大熊野寮で役者たちと
一泊することで
何となく仲間に入れてもらいたくて
座員と詐称したことが
夜中に見回りの寮長にバレ
中庭の池に見事に放り込まれた
何人かの一人が
僕だった。

そう
別の日には
オッサンみたいな学生の部屋に
上がらせてもらって
引き出しから油紙に包まれた
拳銃らしきものの形と重さを。

あれは本当は何だったんだろう。

僕にとって何の脈絡もないままに
京大と寮というセットが
白昼夢のようにイメージされる。

好きだった劇団ケッペキを
吉田寮や西部講堂に
よく観に行ったものだ。

パソコン前でビールしながら
劇場版「ワンダーウォール」を観る。

大学生であったことはない僕だけに
ここには美しいほどの憧憬がある。
当事者たちの心性をよそに。

現存する日本最古の学生寮という
始まりの紹介にふさわしい佇まいの中に
彼らなりの厳粛な生活があって
いわば
サンクチュアリのようでもあり
聖地でもあり
学生仙人の住む蓬莱でもあり。

写真家である野村幹太さんとここで
少しだけお話しもさせてもらった。

思えば
米軍の背負子に
寝袋とスケッチブックを詰め込んで
家からも学校からも見事に出奔した
(と勘違いした)
17歳の天邪鬼は
上野発米原行きの車中で知った
俗ヒッピー二人組にこう告げられる。

「京都のな、ヒャクマンベンの
ダムハウスで落ち合おうぜ!」

彼らはなぜ一緒に行かないのか?
その理由は
停車駅で列車の窓から線路へ
飛び降りた瞬間に理解された。

修学旅行で二度も訪れた京都に
僕は桁違いの
濃厚な文化を探しに来た。

ヒャクマンベンから始まり
そして今がある
そう
思う。
58カ国語に翻訳
English
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ナミキ・キヨタカ

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