石貨の島と我が彫刻 | 石黒 健一
Category : 2019年度 美大卒展

2020.02.08~02.16
【 京都造形芸術大学 】
大学院の修了展の中で
突出して内容が充実していた
展覧会です。
以下ステートメントより編集。
これは2018年より始めた
ミクロネシア・ヤップ島に
現在でも存在する
石貨を題材としたプロジェクトです。
或る経済学の論考の中での
仮想通貨のブロックチェーンと
石貨との相似性についての
論考に端を発したもので
石黒さんなりに身をもって
検証すべくヤップ島を
フィールドワークの
ステージとして捉えながら
制作された作品です。
人々の中で共有される
「価値」と言う概念についての
考察を鉱物を通じて展開されてきた
石黒さんにとっては
必然的なテーマだったようです。
ヤップ島という
歴史の渦に呑み込まれ
日本の戦争遺産も点在する
場所に於いて
現地の人々と協働しながら
その土地ならではの
価値観、生き方、文化を
大局的にまた
詳細に探る旅は
想像するに
新鮮だったことでしょう。
石貨の採石地であるパラオで
石貨と同じ石灰岩を用いた彫刻や
日本統治下にパラオに滞在していた
彫刻家・土方久巧がもたらした技術を
再現したストーリーボード
また日本軍の爆撃機の
プロペラをモチーフとした木彫
また制作や道中の
ドキュメント映像にも
見入ってしまいました。
硬派なテーマではありますが
様々なことが去来する
重厚で意義ある展示でした。
https://kenichi-ishiguro.com






