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変容する視座…「城戸みゆき 見知らぬ庭」

Category : 現代美術シッタカぶり
城戸1

城戸2

6月23日→6月28日【ギャラリーはねうさぎ】

城戸氏の作品に初めて出会ったのは2年前。
和紙で作った家型オブジェの壁にドアスコープ。
覗いてみると、普段見せない、見せたくない、見せ物みたいな
家の中身が…見える、見える…。
もう、僕はノックダウン、もっと言うなら“一目惚れ”してしまった。
参加することで真意を図る作品だったので
覗いてナンボの世界ではあるが、見事にしてやられたという感じだった。

それ以前の作品は印刷物でしか見ることができないが
なぜ、もっと昔から知らなかったのか、ちょっとだけ後悔。
写真でしか見られないかつての作品は
うまく言えないが、自分の尺度やツボにハマっていて
妙に居心地良い。
これは僕自身、仕事柄、紙が好きなことと、
平面から立体への立ち上がりに、ときめきを抱くからだ。

城戸氏のお父様は建築関係のお仕事をされていて
まさに「父の背中」を見て育ったようで
工作やプラモデル、ペーパークラフトが大好きとおっしゃっておられた。
そのとこは今までの作品を観てみるとなるほど納得がいく。
もしかしたら“ちょっと風変わりな”少女だったのかも知れない。(失礼)

新作は前回とは打って変わって、と言っても作品の独特の質感に安心(?)したりしつつ、
“日本の信仰にまつわる原初的造形”が感じられた。
天蓋のように屋根状のものが宙に浮いている。
これは相撲の土俵上空の吊り屋根を連想させる。
伊勢神宮の神明造りと同じ構造の吊り屋根のそれぞれの角の房の色は
陰陽五行説の「方位と色」に基づいている。
つまり裏鬼門、表鬼門だ。
床面にランダムに置かれている草の束は心無しか「ちまき」を連想をさせ、
台座に開けられた大小の正円の穴は水の波紋のようでもある。
この形と色合いの対比、ライティングによる影の有り様も楽しく
全体に厳粛、静謐で、実際の作品の重量とは反比例するかのような
重々しさが漂っている。
多分、そう感じているのは僕だけかも知れないが、
ここに“観る側”からならではの探求する面白さがある。

小さな家、その集合。そして家の中の小さな宇宙から
今回は遠くから眺めた視座で、
全く新しい氏の“現在の思惑”を示していると言える。
この方はいつも次回作を期待させる、僕の大好きな作家の一人である。



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