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トーキング・セラミック…「 Maternity Leave 小出ナオキ 」

Category : 現代美術シッタカぶり
8月21日→9月18日【小山登美夫ギャラリー京都】

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その不思議の国の住人たちは…と書き出したいところだが、
登場するキャラクターは身近な人々だという。
今回に限らずモチーフは自分と関係の深い人。
それまでのFRPから初めてのセラミック作品ということで
過去の作品のつるんとした感じ、テーマパークに居そうな
“ヴィヴィッド”に際立ちながら、なんだか虚ろな表情の彼らとは
また違った風趣がある。
ちょっとゴツゴツしたディテールが、
FRPのゆで卵のような風呂上がりのような一皮むけた感じとは異なり、
その重量感からくる揺るぎない存在感を示している。

雲をモチーフにしたものは実に表情豊かで
有り体に言えば“雲に見たもの”を最小の擬人化に押しとどめて
表したもののように見える。
そのコミカルさは確かにどこかで見たような気にさせる。
それはデパートの屋上か公園か…
いや、よく見るとジャスパーっぽいし、アラジンのランプから
もやっと出て来たフワフワ星人だったりする。
その感触は見た者を過去へ引き戻す、
ちょっとだけ時計の針を戻したような気持ちにさせる。
それもとても愉しかった頃のような…

この造形を見ていて最初に浮かんだ言葉が「無垢」。
何もかもデフォルメされているのだけれど
共通するのは「無垢な祝祭」に満ちた空間がそこにあること。
タイトル「Maternity Leave」は産休のこと。
新しい家族がテーマなだけに揺れるような幸福感が漂う。

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会場の奥の部屋は天蓋のついた大きなベッド。
そこに横たわった妊婦は人間の様相からかけ離れた
アヒルのような顔を持ちながら
出産を控えた母体の中の森に座る我が子と“共に”生きている。
ここにはメルヘンチックな人の心を“あやす”ような示唆は無く、
その代わりに喜びの確信に溢れた「新しい命」への賛歌が聞こえる。
妊婦はそのものが宇宙である、とは僕の「シッタカフレーズ」だが
背面の小部屋に居る様々なシーンはどこかのどかでちょっとユルい。
そしてちょっとコワい…これは出産が痛みと引き換えの
正に女性であるがゆえの所産であることに通じる。

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こんな作家独特の飄々としていて大胆な“造りぶり”に気持ちよく圧倒される。
この人は自由なんだなぁとつくづく感じるのだ。
子供の粘土細工のような直裁的で大らかな現れ方と
色々な感情が混ざり合った顔の繊細な捉え方とが一体となっていて
作品をHOTにしている。

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