「國府 理 〜未来のいえ〜」
Category : 現代美術シッタカぶり
2013/6/22→7/28【西宮市大谷記念美術館】
またまた押し迫ったこんな時のアップとなってしまいました。
初の夙川ということで、京都から来た人間にとっては中々に不思議なエリアでした。
炎天下の中、会場に着いた頃はもう溶けかかっておったアタマが
エントランスより正面の、逆さ車を見た瞬間に見事に再生されました。
なんというか一瞬にしてクリアになった感じです。
それの何がどうクリアになったのかという説明ができないところに
國府さんの作品の面白さが詰まっていると思います。
強いて言えばプラグがカチッと入ってPOWERが点灯した感じ、ですか。
想像上のマシンがこうして具体化された時に
見手の脳内の片側で発せられるイマジネーションの喚起ということです。
機械というのは産業にとって極々効率的であらねばなりませんが、
こうして「効率性」をとっぱらったものには
そのマシンしか持ち得ない美しさがあります。
そこの部分が正に作り手である國府さんの想いがあると思います。
実際に動かしたり走ったりさせるためのメンテナンスも
ここで何回かあります。(その日に見られなかったのは残念ですが)
動くことで音が発生し、振動が起こり、
当たり前のことですがそこに駆動させる、力を伝えるための
メカニカルな要素が結果としての造形として反映される側面もあります。
それは全てが「原寸大」だからではないでしょうか。
そこに必要なものも、またもしかして不必要なものも混在することで
また別の「機能美」が生まれるのです。
アナログでありながら(正につなぎが似合いそうな対象物)
新しいスタイリッシュさを表出させている、
不思議なリアルさ、というか、そんな魅力が詰まっています。

↑「虹の高地」
盆栽がヨーロッパを中心にブームになっているという番組を見て
あの小宇宙が「自然を俯瞰的に捉えたい」という欲求が普遍的なんだと感じました。
僕にとっては逆さになった車の底面に苔を敷き詰めた“景色”と
そのベースが車体であるというマッチングが心地良い造形を孕み、
そのきっかけがアメリカ空軍大尉の世界最高度記録のパラシュート降下であったことを知ると、
よく見たことがあるパラシュートで車が落下していくシーンと重なって、
車が空に在るという大胆な情景に心奪われてしまいました。
車体サイズの盆景がそこにありました。

↑「水中エンジン」
また、僕だけかも知れませんが見る角度によっては見事に羊水に浮かぶ胎児を連想させる
水中で駆動するエンジンの作品。
この展示は実際に駆動させるための「段取り」としての配管も含めて
とても大掛かりな作品となっています。
初めて訪れる西宮市大谷記念美術館は車の往来が絶えない太い国道を隣に見た
住宅街の一角にあります。
この何か“ないまぜ”になったロケーションも不思議でしたし、
館内でのゆったりとした展示も素敵で、
國府作品を際立たせる最適な密度が保たれたように思いました。
なんだか飄々としている感じの國府さん独特の“速度”と
精力的な作品の創出、その完成度の素晴らしさの取り合わせの妙といった趣(おもむき)が
僕の中での興味深さに繋がって、この世界にいつまでも浸りたいと思ってしまいます。

↑「Mental Powered Vehicle」

↑「Power Assist Helmet」

↑「KOKUFUMOBIL」

↑「Sailing Bike」

↑「Tug Tricycle」

↑「電動三輪自動車」

↑「プロペラ自転車」

↑「ROBO Whale」

↑「Parabolic Garden ROBO」

↑「親子の庭」

↑「未来のいえ」
またまた押し迫ったこんな時のアップとなってしまいました。
初の夙川ということで、京都から来た人間にとっては中々に不思議なエリアでした。
炎天下の中、会場に着いた頃はもう溶けかかっておったアタマが
エントランスより正面の、逆さ車を見た瞬間に見事に再生されました。
なんというか一瞬にしてクリアになった感じです。
それの何がどうクリアになったのかという説明ができないところに
國府さんの作品の面白さが詰まっていると思います。
強いて言えばプラグがカチッと入ってPOWERが点灯した感じ、ですか。
想像上のマシンがこうして具体化された時に
見手の脳内の片側で発せられるイマジネーションの喚起ということです。
機械というのは産業にとって極々効率的であらねばなりませんが、
こうして「効率性」をとっぱらったものには
そのマシンしか持ち得ない美しさがあります。
そこの部分が正に作り手である國府さんの想いがあると思います。
実際に動かしたり走ったりさせるためのメンテナンスも
ここで何回かあります。(その日に見られなかったのは残念ですが)
動くことで音が発生し、振動が起こり、
当たり前のことですがそこに駆動させる、力を伝えるための
メカニカルな要素が結果としての造形として反映される側面もあります。
それは全てが「原寸大」だからではないでしょうか。
そこに必要なものも、またもしかして不必要なものも混在することで
また別の「機能美」が生まれるのです。
アナログでありながら(正につなぎが似合いそうな対象物)
新しいスタイリッシュさを表出させている、
不思議なリアルさ、というか、そんな魅力が詰まっています。

↑「虹の高地」
盆栽がヨーロッパを中心にブームになっているという番組を見て
あの小宇宙が「自然を俯瞰的に捉えたい」という欲求が普遍的なんだと感じました。
僕にとっては逆さになった車の底面に苔を敷き詰めた“景色”と
そのベースが車体であるというマッチングが心地良い造形を孕み、
そのきっかけがアメリカ空軍大尉の世界最高度記録のパラシュート降下であったことを知ると、
よく見たことがあるパラシュートで車が落下していくシーンと重なって、
車が空に在るという大胆な情景に心奪われてしまいました。
車体サイズの盆景がそこにありました。

↑「水中エンジン」
また、僕だけかも知れませんが見る角度によっては見事に羊水に浮かぶ胎児を連想させる
水中で駆動するエンジンの作品。
この展示は実際に駆動させるための「段取り」としての配管も含めて
とても大掛かりな作品となっています。
初めて訪れる西宮市大谷記念美術館は車の往来が絶えない太い国道を隣に見た
住宅街の一角にあります。
この何か“ないまぜ”になったロケーションも不思議でしたし、
館内でのゆったりとした展示も素敵で、
國府作品を際立たせる最適な密度が保たれたように思いました。
なんだか飄々としている感じの國府さん独特の“速度”と
精力的な作品の創出、その完成度の素晴らしさの取り合わせの妙といった趣(おもむき)が
僕の中での興味深さに繋がって、この世界にいつまでも浸りたいと思ってしまいます。

↑「Mental Powered Vehicle」

↑「Power Assist Helmet」

↑「KOKUFUMOBIL」

↑「Sailing Bike」

↑「Tug Tricycle」

↑「電動三輪自動車」

↑「プロペラ自転車」

↑「ROBO Whale」

↑「Parabolic Garden ROBO」

↑「親子の庭」

↑「未来のいえ」