「 the world ~ 白矢 幸司 展 」
Category : 現代美術シッタカぶり

2016.10.01~10.29【 COHJU contemporary art 】
あるがままのものを、あるがままに受け入れる。
それが様々な表情となって、存在そのものを静かに知らしめる。
この展示を見て、ギャラリストとお話しさせていただき、
しみじみとそんなことを感じました。
地表の大部分を占めるシリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、カルシウム(CaO)の
3つの物質と水(H2O )によって制作された
「彫刻らしきもの」に白矢さんの作意というものがもし反映されているとすれば、
それは3つのの配合の違いによる化学的な変容が、
おそらく造形物として認識されrるであろう鑑賞者の意識への訴求を示したものと言えます。
様々に配合された3つの物質は1,280℃で焼成されたにも関わらず、
その様相は同じものとは思えないほどに変化します。
地表=土を化学的な視点から考察し、
自然の美しさに常に手を入れてきた人間の傲慢とも言える所業
(それは常に二律背反の宿命のもとにある)を、
こういったミニマムな作風によって示してくれます。
雨の様々な痕跡をプレートにしたものなどは、
もう作家の手を離れた「現象」を粛々と受け入れ、
自然そのものの作用に畏敬を以て向き合うといった厳粛ささえ漂います。
2010年にロイヤルカレッジ オブ アート・ロンドン ( 陶芸・ガラス ) を修了、
現在は自身の出身地である兵庫県を拠点に創作活動をされています。
関西では初個展となる今回の展覧会。
会期が充分にあったにも関わらずレビューが遅くなってしまいました。
この土曜日まで。
僕が見た棚に並べられたコルク瓶の中身、様子は
全く違う印象になっているはずです。
時間の経過=現象=地球のあり方について、
を目の当たりにする貴重な機会です。











