「 補遺 II 〜 どこでもいいわ 」 「 補遺 III 〜 どこへ行くの 」
Category : 現代美術シッタカぶり

2017.01.14〜01.29【 GALLERYRELLAG 】
2017.01.24〜02.05【 ART SPACE NIJI 】
作家は一体、いつ、どのような状況、どのような心境で、現役を辞めるのか。
小名木さんという御歳85になられる、
その筋では御大と称される方が今なお、こうした大作をつくり示されることに、
ただただ感服と尊敬と、絵画にも彫刻とも異なる時間の幅、厚み、濃密さを感じます。
どこにでもある荷造りロープを、自作の織機で5年
(構想からだったらもっと前)をかけて2体(高さ2.4m)の新作を発表しました。
この作品は大きさもさることながら
重さについても会場を選びますし、
何よりも重なれば弾力が生じる素材を高密度で造形する難しさは、
織りについてご存知の方は一様にわかりますし、驚かれます。
そしてこういう作品をそういう年齢の方が
(2008年で織りの制作を一旦辞めたつもり)
現にこうして発表されるという“機会”を再び自らが作り出す精力・活力を、
もっと若い人たちに見て、知ってほしいとギャラリストも仰ってました。
あなたたちならもっと早く完成させるかも知れない。
しかし肝は「5年」という年月をどの目盛り、
物差しで考えられるかということ。
小名木さんにとっての5年は一体いかほどの尺度であるのか…
若輩者である僕などには知る由もありませんが、
潜む創作力はヤケドするほどに熱いのかも知れません。
自戒を込めて、ですが、全てのクリエイターが察すべき「制作哲学」がここにあると、
シッタカぶりながら感じました。
画像はヴィーナス(ギャラリーギャラリー)と
ダンテ(アートスペース虹)の混在です。








