「 長谷川 由貴 展 ~ Untold Symbol 」
Category : 現代美術シッタカぶり

2017.10.03~10.08【 gallery morning 】
長谷川さんと聞いて目をつぶると、僕の前に一角のサンクチュアリが見えてくる。おそらくは規則的な波のつぶやきや温かな風に揺らぐ植物たち、コントラストの強い土の表面、面倒くさいことは全てなしくずしにしたいほどの温帯の怠惰。でも、この度のそれは、もっと対象が近くに迫って、見方を変えれば息苦しいほどの“棲息の様相”を感じさせます。これは長谷川さんが南方の島で体験した “植物=神々しさを媒介する存在と己” の関係性をさらに深化させて、その対象をより近距離的にフィーチャーさせたものと言えます。フィールドワークを重ねながら「野生的≒棲息」と「飼育的≒作為」なるものの境界の検証、と。それは種としての様々な名前をつけられ、現実として身近にあるものであり、今もなお暗闇に息づくまぎれない生物なのである。等身大の花たちとの出会い、もしかしたら邪見にしていたかも知れない彼らに新鮮な感覚を呼び起こしてくれる、潜在的な霊的存在への信念の対象として、改めて花々というものを認識してはいかがなものか、と僕に問うているような気になるのです。

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