HAPPY BIRTHDAY | 中村 ヒカル 個展
Category : 現代美術シッタカぶり

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2018.03.13〜03.18
【 同時代ギャラリー コラージュ 】
2016年10月の「同じ窯の位相」や
昨年の京都造形芸術大学卒展で
拝見していた中村作品。
その時のステートメントにも
幼少時の痛みを伴う絶望感や孤独感、
ネガティブな心性を
前向きにシフトする手立てとして
陶芸を選んだとあります。
“生きることに貪欲な
心の状況を表現”というくだりは
土をこね、焼くことで
救済された
中村さんだけにしか
わからないであろう機微が伺えて
少し安心もします。
冷却還元焼成で表面は黒く
まるでゴジラの皮膚感を彷彿とさせます。
(例えが稚拙で申し訳ありませんが)
僕の中村さんの作品イメージは
滑らかで柔らかな色調の肌合いと
無数の点描が特徴的なものでしたが
卒展にも展示されていた
このシリーズは
内部から
沸々とした自己不全感が
むくむく増殖するイメージです。
「塊」という字面が浮かんできます。
今回は始めて
銅版画も発表。
僕が好きなのは
今回のステートメントの締めの部分。
「ここに存在していることを
祝って欲しいと一度も思わない人は
いないと思います。
どんなものにだって誕生日はあります。
感情にも、空想にも。
形にならないものを形にすることで、
その誕生を認め、祝福したいのだと
思います。」
これは僕自身が
若い美空のその時期に
通低音のように
胸の奥で唸る
「なぜ、自分は、
ここに、居るのだろう、
そして、何の、ために」
という暗澹たる自問への
アンサーなんだなぁと…











