田中昭二 作品展 | 花寂く~ LONELY BLOSSOM + BLOSSOM IN NIRVANA
Category : 現代美術シッタカぶり

2021.03.23~04.04
【 京都写真美術館 ギャラリージャパネスク 】
「現在は寛解してますけど…」
作品のこと
手法のこと
写真のことを話されている合間に
つぶやくように田中さん。
「現世のその向こう側を意識しだして
ええ、ニルヴァーナですよね」
今、生きているこの世界が
果てしなく現実であるという
自覚・認識は
裏返してみると
ひとは確実に死ぬというリアルが
決定的な現実であるというロジックに
行き着く。
遠目に見るとそのディテールは
靄のように曖昧なために
自ずと至近距離からの鑑賞に。
複数のモチーフが絶妙に絡み合い
それぞれにまつわる時間そのものが
融解したような風情で
作家の死生観を表象している。
通底している
”此方から彼方への眼差し”は
しかし耽美で蠱惑的だ。
壮大な刹那。
蜃気楼のような幻視感。
昨年のKG+にて
コロナ禍によって
満足な発表状況になかった
ピエゾグラフィーによるシリーズも
新作に加えて再構成された。
出版社での編集者を経て
映画監督として劇場公開の作品も手掛け
また廃墟に関する書籍も
と
田中さんの履歴は実に多角的で
それだけに仕事の愉楽と同じくらいに
ストレスを抱えておられた
と察する。
多くの人間と交感し
協働してこられた環境から
大病を経て
ご自身の等身大の感覚と
向き合いながら
心象風景=彼岸を静謐なドラマとして
フレームに落とし込んでいる。
本来であれば額装も含めて
作品と成されるところであるが
繊細な表情をお伝えすべく
写真のみに寄った画像であることを
ご容赦いただきたい。
WORK↓
http://shojiphoto.html.xdomain.jp/
ギャラリーサイト↓
https://kyoto-muse.jp/japanesque/












