南山城学園の粘土室
Category : 現代美術シッタカぶり

2023.07.18~10.01(月:休)
10:00~18:00
【 art space co-jin 】
社会福祉法人南山城学園が運営する
障害者支援施設内にあるアトリエ
通称「粘土室」に通う9名の方々の表現。
会場では粘土室でのそれぞれの
紹介かたがたの映像が流れている。
中でも、今展では西村妙子さんの
”作品”について、僕の中で
強烈な何かがショート、した思いを。
(最初の3点の画像です)
施設のスタッフが西村さんに渡す
ロールケーキほどの粘土の塊。
爪を立てながら指で掻き取る。
その掻き取った断片をくるりと
指先でこねる。
と次の瞬間、想像しなかった行動。
断片は床に落とされる、
延々とこの行為がリピートされる。
キャプションによれば
粘土の塊の表面が
掻き取った指の痕跡でいっぱいになると
その塊そのものを
床に落とすこともあるという。
少なくとも僕が認識する
「つくる」という行為そのものが
ここでは一切の意味を持たなくなる。
それは”作っている”でのはなく
指の感度がまだ柔らかな土を捉えて
そこに陶芸の制作過程とは全く異なる
まさしく”営み”とも取れる
愉楽のルーティン、が現れるのだ。
だから完成もなければ収束もない。
あるとすれば床に落とされた
西村さんにとっての行為の残滓。
見方によれば、これは
飽くなき恍惚の”カタチ”だろうか。
文中に度々お出ましのカッコは
つまり、確信も確定もできない
推測の域を超えた、という意味での
言葉の頼りなさの果て、を意味する。
何を今更ではあるのだが
この、ちゃぶ台返し、の展開は
今展を思い出す度に
僕の中でもリピートされるはずである。
意図すること、とは?
いや、そもそも、意図、とは
なんぞや?と
愚かな自問が僕を苛む。
南山城学園↓
https://minamiyamashiro.com
art space co-jin↓
https://co-jin.jp/exhibition/3971/


















